2013.07.25 Thu
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未来の食卓には虫が並ぶ? 知られざる“昆虫食”の真価とは

未来の食卓には虫が並ぶ? 知られざる“昆虫食”の真価とは

 

将来的に、昆虫が日常食になる可能性が出てきました。

2013年5月13日、国連食糧農業機関(FAO)は、「将来、人口の増加などで予測される食料危機に対して、昆虫食が非常に有効な手段である」と発表しました。驚きとともに血の気がサッと引いた方も多いと思いますが、報告によると昆虫は肉や魚に比べてタンパク質の含有量や質が高く、食物繊維や銅、鉄分、マグネシウム、リン、セレン、亜鉛などの栄養分まで豊富なのだそう。

世界を見回すと日常的に昆虫を食べている国も多く、日本でも古くからイナゴをはじめ、ザザムシ、蜂の子などの昆虫を食べる文化が存在します。とはいっても昆虫を食べるということに、抵抗をもたれる方も多いでしょう。そこで今回は、“できる男は常に備えを怠らないの精神”から、未来の食料危機に備えて、昆虫食研究家の内山昭一さんの著書『昆虫食入門』を参考に知られざる昆虫食の世界をのぞいてみましょう。

 

昆虫の栄養素には大腸がん予防の効果があった!
昆虫食と聞いて、まず疑問に思うのが、「身体に悪くないの?」ということでしょう。生い茂る草木に群がったり、道端で行ったり来たりする姿でなじみ深い昆虫なので、ある意味当然の疑問です。もちろん、すべての昆虫が食べられるわけではなく、たとえばマメハンミョウなどは体液が猛毒なため昆虫食に適していません。しかし、世の中には食べられる虫の方が多いといわれています。身近なものでいえばバッタやセミなども、食べられるそうなんです。

とはいっても、生肉がそのままでは食べられなかったりするのと同様に、食べ方次第で体に悪影響を起こしかねないのは、ほかの食材と一緒。ほとんどの場合が、焼いたり油で揚げたりするなど、火を通す必要があります。おいしそうな虫を捕まえたとしても、決して生で“踊り食い”なんてしないように!

先述のとおり、昆虫は肉や魚にひけをとらないほど栄養分が豊富です。多くの昆虫にはカルシウム、亜鉛などの各種ミネラルに水溶性ビタミンB群が多く含まれているので、健康食としても大変有能。なかでも、その外骨格の主成分であるキチンには、腸内環境を整え、大腸がん発症を抑制する効果があるといわれています。たとえばイナゴ。鶏卵と比べても高タンパク・低脂肪で、さらにコレステロールを減らすリノレン酸も多く、ダイエット食品としてもうってつけの食材なんです。

 

ハチの子はうなぎの味!?
カラダに良いことはわかりました。食欲を減退させるようなフォルムは置いておくとして、では味はどうなのでしょうか。実は、昆虫にはうま味成分として広く知られているグルタミン酸が多く含まれています。内山さん曰く、たとえばセミはナッツの香りと味にとても似ていて、ハチの子はうなぎのような味がするのだとか。

ハチの子はグルメマンガの金字塔『美味しんぼ』にも登場していて、海原雄山に勧められた審査員たちが、ハチの子丼を食すシーンがあります。そのシーンでは「こってりとした濃厚な味、ちょっとうなぎの蒲焼きを思い出させる味じゃないか」「とても上等な味だ」などと絶賛の嵐。あまりの賞賛ぶりに、やや引く向きもあるかと思いますが、ハチの子の味はそれほどにすばらしいものなのでしょう。

さらに驚きのエピソードをひとつ。なんと、多くの人々に忌み嫌われているゴキブリも、かつては様々な国で食べられていたのです。非常に淡白で味もエビに近いため、ロンドンではバターや穀物の粉に混ぜてペーストにし、パンに塗って食べていたとか。ちょっとにわかには信じがたいお話かもしれませんが、それは現代の価値観に過ぎません。昔では常識だったり、未来ではトレンドになっている場合もあるのです。丁重に遠慮したい気持ちに変わりはありませんが…。

 

なぜ多くの人が昆虫食を敬遠するのか
かつては日本でも、国民の半数以上が昆虫を食べていたと言われています。昆虫は伝統食といっても過言ではないのです。それにも関わらず、今ではほとんどの人が昆虫食に嫌悪感を抱いています。一説によると、明治期を境に害虫駆除という概念が生まれ、嫌悪する生き物、駆除すべき存在というイメージにがらりと変わったとのこと。昆虫を食べない人が増え、親から子へ受け継がれる食習慣のなかにも組み込まれなくなったため、昆虫を食べない人が連鎖的に増えることになったのです。

文化人類学者のマーヴィン・ハリスはこんな言葉を残しています。「わたしたちが昆虫を食べないのは、昆虫がきたならしく、吐き気をもよおすからではない。そうではなく、わたしたちは昆虫を食べないがゆえに、それはきたならしく、吐き気をもよおすものなのである」。

 

いかがでしたでしょうか。昆虫食の知られざる一面を垣間みることができたと思います。ぜひこれを期に、未来に先駆けて昆虫食の世界に足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。

 

参考:

『昆虫食入門』(著者:内山昭一 発行:平凡社)

国連機関が昆虫食のススメ、「栄養があって美味」

昆虫食:「目を向けて」…国連が報告書 食糧危機対策に

 

Photo by Thinkstock/Getty Images

 

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