2016.10.19 Wed
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アレもコレもアレルゲンに……人づきあいで配慮しておきたい、あなたが知らないアレルギーの存在(1/1ページ)

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卵、牛乳、小麦粉などの食品でアレルギーを起こす人がいることはよく知られています。でも、それらはアレルギーを起こすリスクが特に高い、ひと握りの“メジャー級”に過ぎません。実際は「えっ!そんなものまで!?」と驚くようものも含めて、じつにさまざまなアレルゲンが存在しているんです。

何らアレルギーを持たない人にとっては想像しにくいことですが、普段親しくしている同僚や友人の中にも、思わぬアレルギーを持つ人がいるかもしれません。どんな食べ物・物質にもアレルギーを引き起こす可能性があるという認識さえ持っていれば、食卓を囲む時など日常のあらゆるシーンで、おのずと相手のことを思いやる言動が生まれ、お互いに心地よいひと時を過ごせるはず。

今回は、世間ではあまり知られていないものの、近年増加傾向にあるアレルギーについて、人づきあいの中でありがちなシーンと絡めながらご紹介します。

 

監修:吹角隆之 先生
アレルギー疾患専門クリニック「ふくずみアレルギー科」院長。アトピー性皮膚炎、蕁麻疹、食物アレルギーをはじめとするアレルギー疾患の診療に長年携わってきた専門医。患者の生活環境・食生活・職場環境などからアレルギーの原因をつきとめ、食事療法や環境整備指導を取り入れた総合的な治療を行っている。
http://fukuzumi-allergy.com/media/

 

そもそもアレルギーって何?

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あるものを食べると決まって蕁麻疹が出る、花粉が飛び交う季節になると鼻がムズムズする……。このようにアレルギーは、あるものに対して免疫反応が過剰に働き、何らかの身体症状が現れることをいいます。そうしたアレルギーを引き起こす抗原のことを総じてアレルゲンといい、卵や牛乳、そばなどの食物系のほか、花粉に代表される植物系、ダニや猫などの動物系、金属やラテックスゴムなどの物質系に大きく分けることができます。ほとんどが身の回りにあって、普通に接して問題のないものばかりなのに、なぜアレルギーに発展してしまうのか。じつは、アレルギーには起こるべくして起こる原理原則があるんです。

 

アレルギーの原則①
同じものばかり食べる(接触する)と発症しやすい

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同じものばかり食べる(動物や物質、ハウスダスト、カビなどであれば接触する、同じ空間を共にする)ことは、アレルギー発症につながる大きな要因のひとつ。たとえ少量でも特定の食品の摂取頻度が増えるとアレルギーを発症しやすくなります。また、少量なら問題がなくても、一度に大量のアレルゲンを体内に取り込むと処理能力の限度(しきい値)を超えて、アレルギー反応を起こしやすくなります。とにかく好物だから、あるいは健康にいいからと同じものばかり続けて食べたり、「カニ尽くし」など、短時間で大量に食べるのもよくありません。旬の味覚が楽しみな季節ですが、発症のリスクを踏まえて、食べる量や頻度はほどほどに。

 

アレルギーの原則②
複数のアレルゲンとの接触が重なり発症することも

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一つひとつのアレルゲンはしきい値に満たなくても、複数のアレルゲンに同時に接触する回数が増え、その積み重ね(足し算)でしきい値を超える場合もあります。

たとえば、ハウスダストの舞う部屋で、犬の毛がたくさん抜け落ちる季節、卵を食べたら発症した……という風に、複合的な要因で発症するケースも。特に、疲労や寝不足などで体が弱っている時ほど発症しやすくなるので、複合要因の回避と合わせて体調管理にも気をつけてください。

以上2つの大原則を踏まえつつ、意外なアレルギーの存在と実態をみていきましょう。

 

穀物編:米アレルギー

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症状:皮膚のかゆみ、喘息

「日本人なのにお米が食べられないなんて」と信じられないかもしれませんが、米アレルギーは実在し、症状を訴える人は増加傾向にあります。もともと日本人は伝統的にお米を食べているので、アレルゲンのしきい値は欧米人よりも高め。とはいえ、毎日のように食べていれば、上限を超える例も出てきます。

米は外皮に近いほどアレルギーの原因となるタンパク質が多いため、玄米>胚芽米>白米>二度づき米の順でアレルギー反応が強くなります。ただし、精米済みの白米であっても、モチモチとしたコシヒカリやもち米はタンパク質が多く、アレルギー発症のリスクが高くなります。

意中の女性をデートに誘い、はりきって高級寿司店を予約したのに、彼女が米アレルギーで食べられなかった……レアケースですが、「絶対にない」とはいいきれないこんな事態。かしこまって聞くのは変な気もしますが、こういったレアケースでトリビア的なトークができると、相手の意外なアレルギーを知るきっかけになるかもしれません。

 

果物編:メロンアレルギー

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症状:喉が詰まる、イガイガする、口の中が腫れる

果物でアレルギー反応を起こす人が増えています。本来、果物や野菜にはアレルギーを起こす強い抗原が含まれていないのでアレルギーとは関係なく食べられるはず。しかし、花粉に対する抗体が果物と野菜の構造と似ている関係で、花粉症の人が口腔アレルギー症候群として発症するケースが増えています。つまり、花粉と似た構造の果物・野菜が口に入った時、花粉症の人の抗体が「花粉だ!」と早合点してしまうのです。これらの弱い抗原は胃に入ってしまえばすぐに分解されるため、口唇、口腔から喉にかけてのアレルギー症状が出やすいのが特徴です。

アレルゲンになりやすいのは、メロンを筆頭に、キウイ・バナナ・マンゴー・パパイヤ・パイナップルといった熱帯性の果物や、リンゴ・モモ・さくらんぼなどバラ科の果実も。いずれも日常的に摂取するもの。花粉の時期、花粉症の酷い方には要注意ですね。

 

野菜編:トマトアレルギー

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症状:口の違和感、湿疹、蕁麻疹

果物と同じように、野菜でもアレルギーが起こります。また、果物編で述べた花粉との交差反応や野菜自体が持つ弱い抗原性も複雑にあいまって発症することもあり、症状は口の違和感にとどまらず、湿疹などがでることも。多いのは、トマトやナスなどナス科の植物のほか、とうもろこし、きゅうりなど。中でも生で食べる機会が多く、まるまる一個ごとつい食べすぎてしまうトマトは、ケチャップ、トマトジュース、野菜ジュースなど摂食頻度が増えるごとに発症リスクが高まる原則の通りで、野菜の中でも発症者が多いアレルゲンです。

 

飲み物編:コーヒーアレルギー

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症状:慢性蕁麻疹、下痢、頭痛や動悸など

お米並みに日常的に摂取している人が多そうなコーヒーも、アレルゲンとして要注意。コーヒー豆自体の抗原性はそれほど高くありませんが、コーヒーには依存性の強いカフェインが含まれているため、飲まずにはいられなくなり、やがて処理能力の限界を超えて、蕁麻疹等のアレルギーを発症することになります。コーヒーに限らず、カフェインを多く含むお茶やコーラ、チョコレートなども同じ理由でアレルギーになりやすい食品。これらを週3回以上摂っている人は、カフェインが呼び水となりアレルギーを発症する可能性があります。

一方で、時々コーヒーが口に合わないといって飲まない人もいますよね。それはもしかしたら、その人の体が無意識にアレルゲンであるコーヒーを避けている、のかもしれません。食物アレルギー全般に当てはまることですが、本人が嫌いというものを無理にすすめることのないように。ホストの立場に立っていうならば、食事や打ち合わせの席などでコーヒーしか選べないシチュエーションをつくらないように配慮したいものです。

 

動物編:ハムスターアレルギー

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症状:アナフィラキシーショックなど

動物系のアレルギーといえば、猫やウサギ、毛が抜けやすい犬を思い浮かべがちですが、ハムスターやフェレットといったげっ歯類も発症リスクの高い動物。抜け毛を吸い込んだり、直接触れたり、噛まれたりして途端にアナフィラキシーショックを起こし、呼吸障害や意識障害など重篤な状態に陥る場合もあります。「小さいから」と軽視せず、ハムスターを飼っている家に人を招く時は、飼っていることを伝えましょう。相手がアレルギーでなかったとしても、その人の体調などによっていきなり発症するかもしれません。もしもハムスターを飼っている家にアレルギーの人を呼ぶ場合は、客間は念入りに掃除し、数日前からその部屋に入れないようにするなど配慮が必要です。泊まる予定なら、布団やクッションなど動物の毛がつきやすい繊維類の掃除も忘れずに。

 

番外編:お好み焼き粉によるダニアレルギー

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症状:アナフィラキシーショックなど

ホームパーティでセレクトされがちなお好み焼きやたこ焼きなどの“粉もん”。小麦粉アレルギーの人がいないからと安心していると、意外な落とし穴が待ち受けています。使いかけのお好み焼き粉を使う場合、知らぬ間にダニが発生していて、それを食べた人がダニアレルギーを起こす恐れがあるのです。粉もんパーティを催す際は、できるだけ新品のお好み焼き粉を使うようにしてください。

 


 

ほんの一部ではありますが、身近にありながら見落とされがちなアレルギーについて、起こりうるシーンと対策を交えてご紹介しました。人付き合いにおけるアレルギー対策は、以下のまとめを参考に。

・人と食事をする時、もてなす時の心得として、まずアレルギーの有無を事前に確かめること
・同じものを大量にすすめたり、嫌いなものを無理にすすめない
・選択の余地があるシチュエーションづくりを心がける
・自宅に招く場合は、動物やハウスダストのアレルギーが出ないように、念入りに掃除
・ニオイ消しに使いがちなアロマオイルや芳香剤も、原料にアレルゲンが含まれていることがあるので、安易に使わないように

この他、新築の家に招く場合、建材に含まれる化学物質のせいでアレルギーを起こすことがあります。原因物質が室内にたまらないようにこまめな換気を心がけてください。このような細やかな気遣いができる人こそが、真のおもてなし上手といえるのではないでしょうか。

今回は対人関係を軸に、いくつかのアレルギーをご紹介しましたが、これらのアレルギーが自分にもないか、発症リスクを抱えていないか、振り返ってみることをおすすめします。

 

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