2016.09.07 Wed
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仕事や健康への影響も……無視できないスマホゲーム依存性(1/1ページ)

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2016年夏に配信が始まった「ポケモンGO」は、大人、子どもを問わずあちこちで夢中になる姿が話題に。スマホゲームはすっかり市民権を得たといえそうです。しかし同時に、「一度始めるとなかなか止められない」、「目の不調、悪い姿勢が気になる」など、スマホゲームが精神や肉体に与える悪影響を懸念する声も聞かれます。歩きスマホ禁止、はその最たる例でしょう。

今回はスマホゲームについて20~40代の働く男性に尋ねたアンケート結果を紹介するとともに、スマホ依存症に関する関連書籍から、興味深い内容をピックアップ。そのリスク、危険性などに改めて目を向けてみましょう。

 

 

スマホ所持者のうち、約80%がゲームの経験あり

まず「スマホゲームを利用したことはあるか?」について尋ねました。スマホゲーム_Q1

・利用したことがある 69.4%

・利用したことがない 9.6%

・スマホを持っていない 21.0%

スマホを所持しているのは回答者の約8割。さらに、スマホ所持者の約8割以上がスマホゲームを利用したことがあるという結果に。

 

 

一日の利用時間で最も多いのが「1時間以上」

一日平均利用時間を尋ねると、以下の通りとなりました。スマホゲーム_Q2

・1〜5分未満 8.3%

・5〜10分未満 12.8%

・10〜20分未満 12.8%

・20〜30分未満 11.0%

・30〜1時間未満 16.5%

・1時間以上 19.3%

・現在はスマートフォンゲームをしていない 19.3%

一番多かったのは「1時間以上」という回答。スマホを持っている男性の約20%が1日1時間以上スマホゲームをしており、次点が「30分~1時間未満」で16.5%。けっこうな時間をスマホゲームに割いている姿が浮き彫りに。年代別に見ると、「1時間以上」と答えた人はダントツで30代がトップでした。

 

 

仕事の空き時間にスマホゲームをしたことがある人は7割

働く男性が「1時間以上」をゲームに捻出するのは容易なことではないはず。「仕事の空き時間にスマホゲームをしたことがあるか」と質問してみたところ、以下の結果となりました。スマホゲーム_Q3

・ある 73.9%

・ない 26.1%

なんと7割もの人が、「仕事の空き時間」にスマホゲームをしたことがあるようです。この質問事項で使った「仕事の空き時間」という表現、後述する回答内容と照らしあわせてみると、労働基準法で定められている休憩時間のほかに、オフィスから出先への移動時間、作業の合間の息抜きの時間なども含まれているようです。 「スキマ時間」にゲームをはじめたのはいいとして、すべての人がピッタリけじめをつけてやめられるものでしょうか? 休憩時間がつい長くなる、タバコ休憩を多めにとってゲームをしてしまうなど、仕事時間に食い込むまでつい続ける人も少なくないのでは? そんな人は、「スマホゲーム依存症」を疑ってみるべきかもしれません。

 

 

スマホゲーム依存を自覚している人は5割

本人の感覚として「スマホゲームに依存していると感じることはあるか」と尋ねてみると、スマホゲーム_Q4

・ある 27.3%

・どちらかというとある 18.2%

・ない 54.5%

約30%の人が「ある」と答え、「どちらかというとある」を含めると、スマホゲームへの依存を自覚している人は全体の約半数に。年代別では、「ある」と答えた人が最も多かったのは20代でした。

 

 

スマホゲーム依存によって起こる仕事への悪影響

スマホゲーム依存を自覚している人の意見を見てみます。

「仕事の合間についつい触ってしまう」(愛知県:48歳)

「すぐ携帯を探してしまう」(茨城県:22歳)

「仕事を後回しにしてゲームしてしまうことがある」(福岡県:36歳)

「手が勝手にアプリを起動します」(神奈川県36歳)

「睡眠時間を削ってプレイしている」(神奈川県:38歳)

「RPGが大好きで、良い場面やレベル上げに夢中になり、時間を忘れてしまうことはよくある。」(長崎県:32歳)

「子供の面倒を見ずにやってしまい、妻に怒られる。」(新潟県:48歳)

「ついつい」、「仕事を後回し」、「時間を忘れる」といった言葉の端々に、「わかっちゃいるけどやめられない」という依存者の心情がにじみ出ています。なぜここまでスマホゲームに依存してしまうのでしょう?

オンラインゲームやインターネットが精神に及ぼす影響について、これまで数々の著書で論じている精神科医・岡田尊司氏。岡田氏が2015年に著した『インターネット・ゲーム依存症 ネトゲからスマホまで』(文藝春秋)によると、このような依存のメカニズムには、脳で放出されるドーパミンという物質が影響しているようです。

“「ゲーム依存やインターネット・ゲーム依存の人の脳で起きていることは、覚醒剤や麻薬中毒の人の脳で起きていることと、基本的に同じである。線条体にドーパミンが放出されると、それが歓びという報酬(ご褒美)となり、再びその行為を行うモチベーションや意欲を生む。こうした仕組みは、報酬系と呼ばれ、脳はある行為が報酬に結びつくことを学習すると、その行動を意識的、無意識的に繰り返すようになる。」

「何度も報酬を味わううちに、それは依存を形成していく。耐性が生まれ、同じ満足を得るために、もっともっと長時間、もっともっと強い刺激を求め続けるようになる。」”

 

著者は、アルコールや覚醒剤、パチンコと同じように、ゲームでも簡単に興奮や歓喜を味わえるといいます。レベルアップ、敵を倒すこと、クリアすること――そんな他愛もない報酬(喜び)に、ゲーム依存の原因は隠れています。 また、著者は別の視点でも危機感を募らせています。本来、仕事や勉強、スポーツでも報酬(成果)は得られます。コツコツと努力を積み重ねた上でやっと得られる達成感のために、人間は辛い仕事をやりとげたり、向上心を抱いたりできるもの。しかし……

“「長い忍耐の末、やっと成果が得られるというリズムで培ってきた健全な報酬系回路を、アルコールやギャンブル、スマホなどがもたらす強すぎる刺激、短期間で難なく得られる刺激は、いとも簡単に打ち壊してしまう。」”

 

現実世界の艱難辛苦を乗りこえて、長い間育ててきた“報酬系”は、いわばその人の価値観そのもの。それが、ゲーム内で起こるトントン拍子のレベルアップによって、少しずつ狂わされていく……。オーバーかもしれませんが、スマホは毎日肌身離さず持ち歩いているデバイス。積もり積もったその影響はトータルでみれば相当なものになる、と考える方がむしろ妥当でしょう。

 

 

スマホゲームは肉体の健康にとって是か非か

「スマホゲームは健康にいいと思うか、悪いと思うか」をたずねてみると、以下のような答えとなりました。スマホゲーム_Q5

・いいと思う 5.7%

・どちらかというといいと思う 2.5%

・どちらでもない 33.8%

・どちらかというと悪いと思う 30.6%

・悪いと思う 27.4%

「悪いと思う」と、「どちらかというと悪いと思う」をあわせると、半数以上の人が健康に悪いと認識。目、肩、肘などに自覚症状を感じたり、前述のようなスマホゲームによる依存症、脳の構造の変化といったニュースがメディアで報道されることもあり、危機意識が根付いているようです。 「健康に悪い」と答えた人の理由を具体的に見てみましょう。

「視力が明らかに落ちたし、寝る前には良くないと思いながらやってしまい、夜更かしにつながっている。」(神奈川県:41歳)

「ゲームのジャンルや内容によるが、無理な姿勢で操作することが多そう」(神奈川県:45歳)

「ストレートネックになる」(東京都:39歳)

「目が悪くなる、イライラする、首がいたくなる」(北海道:25歳)

「危険な物質が発せられているから」(埼玉県:28歳)

「事故に繋がる」(大阪府:32歳)

「視力の低下」や「目の疲れ」など、画面を見続けることで生じる目の問題を挙げる人が多数。このリスクについては、過去にもメンズホロスで取り上げています。スマホの使い方が原因で、体のさまざまな部位に表れる不調を「スマホ症候群」として解説している『「スマホ症候群』に気をつけて!』木津直昭(双葉社)では、その代表的な症状としてストレートネックを挙げています。

“「本来カーブしているはずの頚椎(首の骨)がまっすぐになったこの状態がストレートネックです。」
「ストレートネックになったということは(中略)、バランスをとっている頚椎・腰椎と胸椎の拮抗がバランスを失っているわけですから、背骨全体のカーブが崩れていると言っても良いでしょう。そのため、首や肩ばかりでなく、背中や腰まで影響を与えています。首や肩への影響としては、首こり、肩こり、頭痛、手や腕のしびれ、首の可動域の低下(首を左右、前後に動かすと痛みや違和感がある)、めまいや耳鳴りなどの症状が発症しやすいと言えます」“

 

確かにスマホを見ている人の体は、前傾姿勢になりじっと固まっていますよね。自分が使っているあいだは画面に集中しているので自覚はありませんが、利用中の人を客観的に見てみると、長時間維持するには無理がある体勢であることがよくわかります。

 

 

スマホゲーム依存が進行すると、イライラする、ゲーム以外に興味がなくなる等など幸福度の低下も

仕事への悪影響、フィジカルへの負担――これだけでもゲンナリしそうですが、アンケート結果からは「イライラする」、「ゲーム以外のことに興味を示さないようになる」など、メンタル面の変質を感じるという回答も。これには先に説明した「依存」との関連が大きいようです。『親子で読むケータイ依存脱出法』磯村毅(ディスカヴァー・トゥエンティワン)では、次のように説明されています。

“「喫煙やゲームを繰り返しすることで、強制的に報酬系を刺激し続けると、報酬系に「慣れ」が生じ反応が鈍くなってしまうのでしたね。そして、それにともない、幸せや楽しみを感じにくくなってしまうのではないか、と考えられるのでした。つまり、依存症になることで、その人はそれまで感じていた日常での幸せが感じにくくなる(これを失楽園仮説と呼びます)」“

 

「酒、タバコやギャンブルならいざしらず、たかがスマホゲームで人生の幸せが壊されるなんて大げさな」「そんなに危険なら、国から法規制とかされてるでしょ」そんな声も聞こえてきそうです。しかし、危険性は認知されつつも、法規制が間に合ってないとしたら?

太古から存在した酒・タバコ、ギャンブルなどの依存習慣に比べ、スマホやゲームが出現したのは人類史でいうとごく最近。めまぐるしく進むデジタル革新に、政治や法律がついてこれていないのは、なにもこの問題に限った話ではありません。

寝食を忘れてオンラインゲームに没頭しそのまま死亡するケースや、親がゲームに熱中するあまり2歳児を餓死させたケースなど、死亡事故が相次いだ韓国では、現在インターネットゲーム依存を防ぐための法規制が進んでいます。国家による法規制自体の是非はともかく、インターネット×ゲームにそれほどの危険性があるかもしれないということは、認識しておいたほうがいいでしょう。

 


 

今回はスマホゲームの危険性ばかりを挙げてきましたが、何も悪い面ばかりではありません。アンケート結果の中には、単純に楽しい、ポケモンを探して歩きまわることで運動量が増えた、ゲームを通してリアルな友達ができた、などポジティブなコメントも見られました。スマホゲームのいい影響だけを享受するために、ここで一度立ち止まって、そのリスクに真剣に目を向けるべき時なのかもしれません。

 

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