2016.08.17 Wed
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

“大人あせも”が増えている? 発症のメカニズムと治療法・予防策(1/1ページ)

main

真夏になると、日中汗ダラダラで過ごすこともあり、気がつくと体に赤い湿疹ができたり、肌が妙にむず痒くなったりすることはありませんか? 夏の肌トラブル、もしかしたら「大人あせも」かもしれません。

「多少の湿疹なんて、病院にいくほどでもないし、少し我慢すれば勝手に治る」と思っていても、これがなかなか治らない。痒いだけならまだしも、うっかり引っ掻いて化膿したり、重症の場合、肌の深層部で色素沈着するケースまで報告されています。

「いい歳してあせもだなんて、恥ずかしい……」と、気おくれしててもはじまりません。不快さ、不潔さで仕事や生活の効率が落ちてしまう前に、積極的にアプローチして手早く治してしまいましょう。今回は皮膚科の先生に、「大人あせも」とは何なのか、治療方法&予防策をお聞きしました。

 

<監修>
南森町いしだ皮フ科
院長の石田祐哉先生を含め、随時2名体制でケアしてくれる皮膚のプロフェッショナル。日焼け、じんましん、ニキビなど身近な症状から、アトピー性皮膚炎や皮膚腫瘍など専門的な症状まで対応。多汗症やタトゥーの除去まで相談・治療をしてくれる。

 

あせもができるメカニズム

Drops on the skin

まず、あせもとは何なのかをおさらいしましょう。人間は体温調節のために汗をかきます。気温が高い夏は、人間の体内でも熱がこもりがち。この熱を体外へ排出するため、汗腺から汗を出します。汗は汗腺から出たのち蒸発するのですが、蒸発する時、体表から気化熱を奪うため、体にこもった熱を外へ逃がすことになるわけです。

このように汗は重要な役割を果たしていますが、夏のようにひっきりなしに大量の汗をかいていると、汗の出口=汗腺が詰まりやすくなります。すると出口を失った汗が皮膚の表面にある薄い膜の中に漏れだして炎症を起こします。これが「あせも」です。

汗腺の数は、大人も子どもも同じで約230万個と言われます。子どもは体が小さい分、この汗腺の密集度が高いので、詰まり=あせもがよく起こります。このため「あせも=子どもがなるもの」というイメージがありますが、同じ数だけ汗腺がある以上、当然大人もなるのです。そして猛暑日が当たり前になった近年は、大人にもあせもが出やすくなっているのです。

 

あせもの主な症例と、できやすい部位

Business man neck

あせもの種類は、おおよそ次の3つに分けられます。

水晶様汗疹(すいしょうようかんしん)
行き場を失った汗が水疱になって、皮膚の表面の浅いところにたまった状態。直径1〜3mm程度の白っぽく透明な水ぶくれができ、痒みや赤みがないのが特徴。水ぶくれはすぐ破れて汗が外に出るので、じきに治ります。

紅色汗疹(こうしょくかんしん)
症例が最も多く、一般に「あせも」と呼ばれているのがこの症状です。赤い発疹ができ、刺すような痒みがでます。水晶様汗疹のように皮膚の表面ではなく皮膚内に汗がたまり、炎症を起こして痒みを伴うので、薬や生活改善などで対策する必要があります。

深在性汗疹(しんざいせいかんしん)
見た目の違和感や痒みはほとんどなく、皮膚の深層部に湿疹ができる、気付きにくい汗疹です。症状がないなら問題ないのでは……と思うかもしれませんが、汗の出口が奥深くで詰まっているということは、体温調節が正常にできていないため、熱が体内にこもって熱中症になる可能性も。非常に稀な症状のため、皮膚科での治療が必要です。紅色汗疹を放置した結果発症した例もあります。

あせもができやすい部位は、

首周り
お腹周り
ひじの内側
ひざの裏側
足のつけ根
足の裏

といった、汗がたまりやすいところ。身に覚えがある方もいらっしゃるのでは。大人あせもは、ネクタイやシャツの襟元が触れる首まわりや、ベルトで締め付けているお腹周りに出やすい傾向が。

ほかにも、工事現場やバイク通勤など、ヘルメットをかぶっている時間が長いと、頭にもあせもができます。足の裏などは、水虫だと思っていたらあせもだったということもあります。合皮など通気性の悪いビジネスシューズもさることながら、現場仕事で長靴を履いており常に足がムレている……という人は特に注意が必要です。

一方、あせもによく似た皮膚炎としては、以下の様なものがあります。

バックル皮膚炎
ベルトのバックルや時計など、金属に触れたところだけ湿疹ができ、痒くなります。

汗荒れ
汗をかいたあとに、汗に含まれる塩分やアンモニアなどの成分が体内から皮膚上に流出してかぶれてしまい、ピリピリ、チクチクした痒みを伴います。

これらは汗にプラスして、金属や汗の中の成分などが反応しあってできる皮膚炎です。病気の仕組みは微妙に異なるものの、汗を原因の一つとしているので、あせもと同様のケア・予防法が有効です。

 

炎症は処方薬や市販薬で一気に沈静化

making creme

できてしまったあせもはどのように治療すればいいのでしょうか。一般的なあせも=紅色汗疹の場合、まず炎症がひどい時は、薬で一気に沈静化するのがスピーディかつ確実です。

皮膚科で処方された薬が一番ですが、市販の薬でも十分効果的なものもあります。オススメなのがステロイド系の抗炎症剤。強い抗炎症作用がありますから、痒みのもとである炎症を短期間で鎮めることができます。掻きむしり続けて、化膿するほど進行してしまった場合には、抗生物質配合のものもあります。ただし強力な薬は副作用に要注意。強めのステロイド外用薬を長期間にわたって使用した場合は、皮膚が薄くなったり、感染症にかかりやすくなる、皮膚が赤くなるなどのリスクがあります。用法・用量を正しく守って使いましょう。

ステロイドに抵抗がある場合は、虫さされ用の抗ヒスタミン剤、いわゆる「スーッとする系」の小瓶のものでも効果があります。メンソールが入っているので、冷感で痒みが抑制されますし、手軽に持ち歩ける常備薬としても便利です。

「かきむしらないように」と、患部を覆う傷パッチのようなものを貼っている方が多いようですが、これは蒸れている患部、じゅくじゅくした患部には逆効果です。それよりも洗って清潔にすることを心がけましょう。

 

軽度なら予防もかねて生活習慣を改善

wiping face with towel

軽度なら、生活習慣を少し変えるだけでも症状の緩和・予防に効果があります。コツは、汗腺を詰まらせないように、正しい方法で肌を極力清潔に保つことです。

汗をかいたらこまめに拭き取る
当然ながら、かいた汗はそのままにせず、しっかり拭き取りましょう。この時、乾いたタオルだと水分だけを吸って老廃物を皮膚上に残すため、汗腺が詰まりやすくなります。濡らしてかたく絞ったタオルを用い、患部に触れる時は「こすらず、優しく」を心がけましょう。

外出時には、顔・体専用の洗顔シートや制汗シートを携帯する
濡れタオルを持ち歩くのは、衛生上やや問題が。外出時にはウェットシートがオススメです。デオドラント系のアイテムでもOK。汗腺をふさいでしまう制汗スプレーではなく制汗シートを使いましょう。ただし、アルコールに弱いお肌の場合は慎重に選びましょう。

衣類(特に下着)は、吸汗速乾性能がある素材を選ぶ
肌に密着する衣類は、汗を吸いっぱなしでべたつきがちな綿ではなく、速乾性のあるポリエステル混のものが効果的です。肌にはりつかないように、ゆったりとしたタイプを選びましょう。

大量の汗をかくと予想されるときは、着替えを持っていく
スポーツの試合、屋外レジャーなど大汗覚悟のイベントでは、必ず着替えを持っていきましょう。夏場なら一度かいた汗もすぐ乾くかもしれませんが、その分、服には老廃物が残り、汗腺の詰まりの原因となります。

職場でもできることはあります。節電対策として、政府の推奨室内温度は28度となっていますが、大人あせもを予防するには、あくまで「肌が過ごしやすい温度を保つこと」が大切です。よく「赤ちゃんのいる家庭では25度前後」と言われますが、対あせも設定としては、このぐらいの温度をキープするのも有効です。

 


 

「大人あせも」について、最後に耳の痛い事実があります。実際の症例では、「余分な贅肉があるお腹回り」に最もできやすいんだとか。太ったことで汗をかきやすくなり、服と密着してムレるのが原因です。大人ゆえのわがままボディがもたらす切ない現実。この際「あせもを機にダイエット!」と、プラス思考も良いかもしれませんね。

 

■オススメ記事はコチラ

 

    

【メンズホロス】produced by リーブ21 TOP

ページTOPへ