2015.08.19 Wed
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

禁煙、ダイエット……節制が続かない理由は? 煩悩との付き合い方を学ぶ(5/5ページ)

禅センターのプログラムにみる、自宅実践方法

禅センターのプログラムにみる、自宅実践方法

———禅センターではどんなプログラムを行っていますか?また日常で取り入れられることは?

当センターで行われる修行のスケジュールはオリジナルで、禅の考え方や臨床心理における心の改善に良いとされる要素を、組み合わせたものです。朝5時20分に起床してから、太極拳、坐禅、朝のお経など、決められたスケジュールをみんなで行います。心と体はひとつですから、単純に生活を整え体調が整えば、心も整ってくる。節制のためではなく、心を整えるために規則正しい生活は必要だと考えています。

 

ほかの参加者と交流し、対話をすることも大事なことです。“話す”ことで心の中に溜まっているものを“放す”ことができる。そして、話すことによって自分の心を言語化、知性化し、心との距離を“離す”ことができる。距離を保ち、俯瞰で感情を捉えられるようになると煩悩のままに即行動、感情に流されるということが減っていきます。

 

畑仕事なんかで土に触れるのもいいですよ。都会でコンクリートに囲まれた生活をしている人は自然に触れることで心が回復することもあるでしょうね。自然の力には、心の深層に働きかけるものがあると思います。直接なにかに作用するとかいうのではなくて、もっと深いところに漢方薬みたいにじんわり影響を与えていく、そんな気がいたします。

 

また、修行とは関係ありませんが、心を整えるのに呼吸法も良いと思いますね。たとえばおいしい食べ物を目にすると、脳が興奮して知性的な働きがにぶくなります。だから欲望に負けて食べてしまう。脳を興奮させないために深呼吸して脳をリセットする。なにか衝動的に欲求が高まった時に深呼吸をすれば、ある程度興奮を抑える効果があると思いますよ。

 

禅の修行で規則正しい生活を送るのは、節制のためにしているのではなく、心を整えるための準備ということでした。これまで述べてきたとおり、一時的にストイックな生活を送るだけでは、日常に戻った時にはまた元の生活に戻ってしまいます。身についた規則正しい行動を一時の習慣で終わらさずに継続するには、知的理解と具体的な行動でゆっくりと、心身のアンバランスを正すように働きかけることが重要なようです。

他人と話す、自然にふれる、深呼吸する。一見、自己改革とは遠回りなようで、実はそういった自然なアプローチのほうが、無意識の自分を変えることに役立つ、というご住職のアドバイスも印象的です。

 

さて、これらをまとめると、自宅でも始められそうな行動は以下になります。

 

▼問題行動の原因への知的理解をすすめる
▼心を整えるために、規則正しくメリハリのある生活を送る
▼他人と話し感情を解き放ったり、自分を俯瞰する
▼山や川といった自然を感じられる場所に行く
▼ガーデニングや菜園などで土に触れる
▼欲求に負けそうになったら深呼吸をする

 

自分にとって「心の癒し」となることは何か知っておくと、バランスを崩してもすぐ回復する、つまりバランスを崩しにくい心をキープすることができます。他者との会話や自然に触れることなど、日常生活に採り入れつつ、欲求に負けそうになったら深呼吸。シンプルで実践できそうですよね。

 


 

ご住職へのインタビューを通じて語られたのは、煩悩を忌み嫌ってはいけない、敵視するものではない、ということでした。人間にはコントロールできない感情や欲望があるという事実を受け止め、そこにあるメッセージを汲み取ることができれば、それは自分を変えていけるチャンスになるのだ、と。

「食べてしまう」、「なまけてしまう」、一見、だらしないだけの習性だと思える行動にも意味がある。目からウロコです。一時の我慢で煩悩をコントロールしたつもりになっていては、結局何も変わらないのかもしれません。

メンズホロス読者のみなさんで、ダイエットや筋トレなどにおける節制について悩んでいる方にもヒントが見つかる内容になっているとうれしいです。

 

 

<煩悩との付き合い方をおさらい!>

>>>煩悩とは、そもそも何なのか

>>>煩悩をコントロールする方法はあるのか

>>>煩悩に惑わされないための、異なるアプローチ

>>>禅センターのプログラムにみる、自宅実践方法

 

 

■オススメ記事はコチラ

 

前へ 1 2 3 4 5

           

【メンズホロス】produced by リーブ21 TOP

ページTOPへ